早速やっていきましょう。設問文を少し、変更して選択肢とともに、プロンプトに入れてみます。
企業経営理論 2022年
第1問 → ✗ ChatGPT間違える
【プロンプト】
#役割 あなたは中小企業診断士試験の講師をしています。 以下の5つの選択肢の中で、企業の多角化に関する記述として、最も適切なものはどれか教えてください。最初に正解の選択肢を伝えた後、各選択肢を解説して下さい。
ア C.マルキデスによると、第二次世界大戦後の米国企業では、多角化の程度が一貫して上昇しているとされる。
イ R.ルメルトや吉原英樹らの研究によると、多角化の程度が高くなるほど、全社的な収益性(利益率)が上昇する関係があるとされる。
ウ R.ルメルトや吉原英樹らの研究によると、多角化の程度が高くなるほど、全社的な成長性が低下する関係があるとされる。
エ 伊丹敬之によると、 1 つの企業で複数の事業を営むことで生じる「合成の効果」には、相補効果と(狭義の)相乗効果の 2 種類があるとされる。そのうち、物理的な経営資源の利用効率を高めるものは、(狭義の)相乗効果と呼ばれる。
オ 関連多角化を集約型(constrained)と拡散型(linked)に分類した場合、R.ルメルトの研究によると、拡散型より集約型の方が全社的な収益性(利益率)が高い傾向にあるとされる。
【ChatGPTの返信】
正解は「エ」です。 (本当の正解は オ です)
以下、各選択肢の解説をします。
ア C.マルキデスによると、第二次世界大戦後の米国企業では、多角化の程度が一貫して上昇しているとされる。 →実際のデータによると、米国企業の多角化の程度は一貫して上昇しているわけではなく、時間とともに変動しています。1980年代から1990年代初頭にかけては、多くの企業が多角化から一部撤退し、コアビジネスに集中する戦略をとるようになりました。
イ R.ルメルトや吉原英樹らの研究によると、多角化の程度が高くなるほど、全社的な収益性(利益率)が上昇する関係があるとされる。 →一部の研究では多角化と収益性に関連性が指摘されていますが、一概に多角化の程度が高くなるほど収益性が上昇するとは言えません。多角化が成功するかどうかは、市場環境、経営戦略、企業の経営能力など様々な要素によるためです。
ウ R.ルメルトや吉原英樹らの研究によると、多角化の程度が高くなるほど、全社的な成長性が低下する関係があるとされる。 →この選択肢も、多角化と企業成長性に一概な関連性を持つとは言えません。多角化と成長性の関係は、その企業の戦略や経営資源、市場環境により大きく変動します。
エ 伊丹敬之によると、 1 つの企業で複数の事業を営むことで生じる「合成の効果」には、相補効果と(狭義の)相乗効果の 2 種類があるとされる。そのうち、物理的な経営資源の利用効率を高めるものは、(狭義の)相乗効果と呼ばれる。 →こちらが正解です。伊丹敬之は、「合成の効果」について相補効果と相乗効果を提唱しています。相補効果は異なる事業間で生じる相互補完的な効果、相乗効果は一つの企業内で異なる事業が統合されることで生じる経営資源の利用効率向上という効果を指します。
オ 関連多角化を集約型(constrained)と拡散型(linked)に分類した場合、R.ルメルトの研究によると、拡散型より集約型の方が全社的な収益性(利益率)が高い傾向にあるとされる。 →実際には、ルメルトがこのような分類やその結果を報告した記録はないため、この選択肢は誤りです。
1問目から間違えるとテンション下がりますね。。。
1件のコメント
masa · 2023年7月5日 10:26 PM
おなじようなことを、私もやってみました。合う時もありますね。
加えて、こちらの記事のようにずらっと補足の説明を返してくるので、思わず、おお~とうなってしまいました。
AIが間違っているときは、正解とその理由や参考文献などを教えてやります。
そうすると、「申し訳ありません。確かに~」と自らの間違いを修正します。
また同じ間違いを返してくることもしょっちゅうですが、その辺も人間みたいでおもしろいですね。